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動体視力を鍛える3つの方法

2015年5月16日

スポーツ選手にとって、動体視力は、フィジカル、メンタルに次ぐ重要なファクターです。特に、野球(打撃)などでは、キネティック動体視力とダイナミック動体視力が最も重要とされます。

ここでは、キネティック動体視力とダイナミック動体視力を中心に、動体視力の訓練方法を紹介します。

動体視力とは

視力は、静止視力と動体視力とに、大きく分類されます。

静止視力は、文字通り静止したものをみる能力で、健康診断などでよく行なわれるランドルト環を用いた視力検査は、この静止視力を検査するものです。

動体視力とは、動くものをみる能力で、主にダイナミック動体視力とキネティック動体視力に分けて考えられます。

ダイナミック動体視力上下左右方向の動体視力
キネティック動体視力奥行方向の動体視力
ダイナミック動体視力とキネティック動体視力では、同じ動体視力ではあっても、知覚する脳のメカニズムがずいぶん異なります。したがって、訓練方法も異なります。

ダイナミック動体視力

ダイナミック動体視力:DVA(Dynamic Visual Acuity)

ダイナミック動体視力は、上下左右方向の動体視力です。

実際には、上下方向と左右方向とでは、知覚のメカニズムが少し異なるのですが、一般的には、同じ枠組みで考えられます。

ちなみに、パーキンソン病関連疾患のひとつに進行性核上性麻痺という疾患がありますが、この進行性核上性麻痺で、はじめに障害されるのは、上下方向(特に下方向)の眼球運動だけです。

キネティック動体視力

キネティック動体視力:KVA(Kinetic Visual Acuity)

キネティック動体視力は、奥行方向(前後方向)の動体視力です。

静止視力としての奥行きの知覚は、「両目の視差」と「脳の画像処理機能」が協働して行なわれますが、動体視力としての奥行きの知覚では、「両目の視差」はあまり影響しないのではないかと思われます。

「脳の画像処理機能」が奥行きを知覚する仕組みは、複雑です。

たとえば、「心にあるサイズよりも小さいものを遠くにあると感じ、大きなものを近くにあると感じる」や「周りにみえるものによって奥行きの感じ方が変わる」などなどです。

ビルの上に見える月は、近く大きく感じますし、天空にぽつんとある月は、同じ大きさなのに、遠く小さく感じます。

奥行きに関する錯視が多く知られていますが、それらは、脳の画像処理機能の癖を、いわば逆手にとったものです。通常の世界では、この脳の画像処理機能の癖が、奥行きを知覚するために非常に有用なものとなります。

キネティック動体視力では、「両目の視差」よりも、「脳の画像処理機能」の方がより重要になると思われます。

スポーツビジョン

視力の分類方法として、スポーツビジョンがあります。日本には、1986年に紹介されました。

スポーツビジョンは、スポーツ選手にとり、フィジカル、メンタルに次ぐ重要なファクターとして考えられています。

スポーツビジョン研究会によると、スポーツビジョンは次の8項目に分類されます。

特に、野球(打撃)などでは、キネティック動体視力とダイナミック動体視力が最も重要とされます。

1.静止視力

静止したものを見る視力。(一般的な視力検査で測られる)

2.キネティック動体視力:KVA

奥行き方向の動体視力。

3.ダイナミック動体視力:DVA

上下左右方向の動体視力。

4.眼球運動

視線を速く円滑に動かす能力。

5.コントラスト感度

明るさの微妙な違いを識別する能力。

6.深視力(距離感)

遠近感。相対的な位置関係を認識する能力。

7.瞬間視力

視覚情報を瞬時に認識する能力。

8.眼と手の協応動作

視覚に対する反射神経。

動体視力訓練法3つ

ここで紹介する動体視力の訓練方法は次の3つです。

  1. ダイナミック動体視力の訓練法
  2. キネティック動体視力の訓練法
  3. 動体視力のアプリによる訓練法

動体視力の訓練というと、眼筋の運動能力を鍛えるものと考えられがちですが、眼筋を鍛えただけでは、動体視力は良くなりません。「脳の画像処理機能」もいっしょに鍛える必要があります。

ですが、だからといって、それで訓練方法がややこしくなるわけではありません。

ダイナミック動体視力やキネティック動体視力を使う環境をつくって、「みる訓練」を繰り返せばOKです。

ダイナミック動体視力の訓練法

最もポピュラーなダイナミック動体視力のトレーニング方法は、電車の車窓から外の看板や電柱に書かれた文字を読み取ることです。

この訓練法では、上下方向の訓練にならないのが難点といえば難点ですが、左右方向については有効な訓練方法となります。

頭を横にして行えば、上下方向の訓練にもなりそうなものですが、電車の中でそういった姿勢をとることには違和感があります。

バスや車の車窓からでも良さそうですが、実際に試してみると、適当な対象物が電車ほどには多くないのがわかります。おすすめはやはり電車の車窓からです。

この訓練法の良いところは、なんといっても、準備が要らないという点です。電車通勤であれば、その気になるだけで実行できます。

キネティック動体視力の訓練法

キネティック動体視力のトレーニング方法は、ボールに数字や文字を書き込み、投球中に読み取ることです。

この訓練法は、非常に有効なものですが、準備が必要なことと、付き合ってくれる投球者が必要なことと、球速、回転数、回転方向などの条件がコントロールしづらいというのが難点です。

あまりに速い球速や、あまりに高い回転数では、訓練の効果がありませんし、逆に遅すぎても効果なしです。

どのくらいの球速、回転数が有効かといえば、それも、現在のその人の動体視力レベルで変わってきてしまいます。

有効な球速と回転数が判ったとしても、その条件での、かつ、適切な軌道を描く投球は、プロ級の投球者でなければ難しいことです。

ですが、プロ級の投球者が付き合ってくれるのであれば、これ以上の訓練法はありません。

なお、シャッターゴーグルを利用すると、より効果的にトレーニングできるといいます。シャッターゴーグルは、ストロボ効果もつメガネで、液晶でシャッターを高速開閉するものです。

動体視力を鍛えるiPhoneアプリ

動体視力を鍛えるiPhoneアプリとして、「キネティック動体視力」があります。

iPhoneアプリ「キネティック動体視力」

「キネティック動体視力」は、その名の通り、キネティック動体視力を鍛えるiPhoneアプリですが、ダイナミック動体視力にも効果があります。

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無料版と有料版

「キネティック動体視力」には、無料版と有料版があります。

無料版と有料版の違いは、広告の有無、難易度レベル、テストモードの有無です。

無料版有料版
広告有り広告無し
難易度レベル=0~2.5難易度レベル=0~4
テストモード無しテストモード有り
kva 無料版

無料版
キネティック動体視力

App Store

無料版

kva 有料版

有料版
キネティック動体視力

App Store

有料版

使い方

「キネティック動体視力」には、「テストモード」と「練習モード」が選択できるようになっています。

無料版では、「練習モード」だけが利用できます。ここでは、有料版の使い方を中心に説明しています。無料版の「練習モード」の使い方は有料版の「練習モード」の使い方と同様です。

モードの切り替え

「テストモード」と「練習モード」との切り替えは、起動画面の左上の選択ボックス(テスト/練習)で行います。

kva テストモード

テストモード

kva 練習モード

練習モード

テストの途中に、「練習モード」に切り替えて練習することもできます。この場合、「テストモード」に戻れば、途中からテストを再開できます。

練習モード

練習モードでは、同じレベルを何度でも連続して練習することができます。

練習モードでの使い方は、簡単で、難易度レベルを選択して、スタートボタンを押すだけです。

kva 練習モード

難易度レベルは、右上の選択ボックスで行います。

kva 六角柱

スタートボタンをタップすると、画面が切り替わり、画面奥から六角柱が回転しながら飛び出してきます。
六角柱の側面に書かれた数字を読取ってください。

【飛び出してくる六角柱について】

六角柱の移動速度と回転速度は、難易度レベルにより決まります。

六角柱の描く軌道は、野球の投球のように毎回ランダムに変化します。

kva 練習 回答

読み取った数字をキーボードから入力すると、判定が行なわれます。

kva 練習 丸

判定:◯ 全桁正解

kva 練習 三角

判定:△ 1桁不正解

kva 練習 バツ

判定:☓ 2桁以上不正解

【判定について】

全桁正解で◯、1桁のみ不正解が△、2桁以上不正解が☓と判定します。

数字の順番は関係ありません。2124が正解であれば、1242でも1224でも正解です。

テストモード

テストモードでは、0から4の5段階の難易度レベルが、順番に各5回づつ、計25回テストされます。

【得点について】

得点は、◯で4点、△で2点、☓で0点が加算され、最高点は100点です。

100点を獲得出来る人は、なかなかいません。ですが、もちろん不可能なわけではなく、スポーツの得意な方で、100点を何度も達成した方もいます。

中には、難易度レベル4では正解できるのに、難易度レベル2や3で、気が抜けてしまうのか不正解となる方もいます。100点獲得には、動体視力の他に集中力も必要なようです。

テストモードでの使い方も簡単で、「スタートボタンをタップして、飛び出してくる六角柱上の数字を読み取り、答える」というテストを25回繰り返すだけです。タイムトライアルではありませんので、途中で中断することもできます。

kva テストモード

難易度レベルは、自動的に設定されます。

kva 六角柱

スタートボタンをタップすると、画面が切り替わり、画面奥から六角柱が回転しながら飛び出してきます。
六角柱の側面に書かれた数字を読取ってください。
(練習モードと同じです)

kva テスト 回答

読み取った数字をキーボードから入力すると、判定が行なわれます。
(練習モードと同じです)

kva テスト 丸

判定:◯ 全桁正解
得点:4点

kva テスト 三角

判定:△ 1桁不正解
得点:2点

kva テスト バツ

判定:☓ 2桁以上不正解
得点:0点

テスト完了で、スコアが記録され、練習モードに移ります。続けてテストする場合は、左上選択ボックスから、再度テストを選択して行います。

テストのリセット

テストを中止したい場合は、画面左下の赤いリセットボタンをタップすることで、リセットできます。

スコア

テストのスコアの履歴を確認/編集したい場合には、画面右下のスコアボタンをタップすることで行えます。

効果音のオン/オフ

効果音を消すには、画面下中央のスピーカーボタンをタップします。タップする毎に、効果音のオン/オフが切り替わります。

他の動体視力訓練アプリ

「キネティック動体視力」の他にも、動体視力の訓練アプリはあり、いろいろなブログサイトなどで紹介されています。

動体視力を鍛えるiPadアプリ

「キネティック動体視力」には、iPadアプリもあります。「キネティック動体視力 HD」です。

使い方など、基本的には、iPhoneアプリ「キネティック動体視力」と同じですが、スコア表示が大きくわかりやすくなっています。

また、iPad版では、起動画面から六角柱の飛び出す画面への画面遷移は起こりません。

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iPadアプリ「キネティック動体視力 HD」

kva PAD スクショ3

iPad版
テストモード

kva PAD スクショ2

iPad版
練習モード

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無料版
キネティック動体視力 HD

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有料版
キネティック動体視力 HD